うづきのことば
卯月は4月の和名
「卯月」は陰暦4月の異称です。
この月になると卯の花が盛りになるので「卯の花月」が詰まって「卯月」となったとか、稲の種を植える月の「植月(うつき)」であるとか、その名前の由来にはいろいろな説があります。
4月の季語や和歌について書いた文章を集めました。
さくらのことば
「花」といえば「桜」をさすほど、日本人は桜を愛してきました。
そのため「桜」のついた言葉はたくさんあります。
その一部をご紹介しましょう。
【こぼれ桜】
桜の花が満開で、まるで地面にこぼれ落ちたように見える様子。
【花吹雪】
満開の桜の花びらが、風に吹かれて舞い散る様子が、雪が吹雪いているように見えることから生まれたことばです。
【花明かり】
桜の花が満開で、闇の中でも辺りをほんのりと明るく照らしているように感じられる様子。
【花筏(はないかだ)】
水面に散った花びらが筏のように流れていく様子。
【花の浮橋】
水面に散った花びらが橋のように集まっている様子。
桜の儚さを彷彿とさせる美しい言葉ばかりですね。
(2018.4.3)
つばめきたる
千早振る卯月八日は吉日よかみさけ虫をせいばいぞする
昔、この歌を紙に書き、便所や台所に貼って虫除けとする風習があった。
4月8日はお釈迦様の誕生日。
お寺では灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、花祭など呼ばれる法要があり、誕生したばかりのお釈迦様の像に甘茶をかける風習がありました。
玄鳥至(つばめきたる)4月5日~4月8日頃。
玄鳥(げんちょう 燕の異名)が南の国から渡ってくる頃。
すっかりあたたかくなりました。
(2018.4.5)
こうがんきたへかえる
江碧鳥逾白
山青花然欲
今春看又過
何日是帰年
江(こう)碧(みどり)にして鳥逾々(いよいよ)白く
山青くして花然えん(もえん)と欲す(ほっす)
今春看(みすみす)又過(す)ぐ
何(いず)れの日か是れ帰年(きねん)ならん
中学校の教科書にも出てくる有名な杜甫の「絶句」です。
日本の古典文学に大きな影響を与えた音の美しい漢文。
有名なものはネット上にありますし、意外と気軽に楽しめるものです。
4月9日~13日は「鴻鴈北(こうがんきたへかえる)」。
ツバメとは反対に、冬の間を日本で過ごした雁や白鳥が、北のシベリアへと帰っていく頃。
春たけなわです。
(20194.9)
にじはじめてあらわる
虹の立つ峯より雨は晴れそめて麓の松をのぼるしらくも
藤原親行 (風雅集)
七十二候・虹始見(にじはじめてあらわる 4月14日~19日頃)
春になって空気がうるおってくるため、この頃からきれいな虹を見ることができます。
そしてまもなく夏がやってきます。
(2018.4.14)