きさらぎのことば
如月は2月の和名
如月は「きさらぎ」と読みます。
語源には諸説ありますが、厳しい寒さに備えて重ね着をする「衣更着(きさらぎ)」が転じたという説が有力です。
如月にまつわる昔の言葉をご紹介します。
かすみはじめてたなびく
昔の人は2月23日~2月27日ごろを霞始靆(かすみはじめてたなびく)と呼びました。
東風吹かば 匂ひをこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ
菅原道真『拾遺和歌集』
「学問の神様」として有名な菅原道真。
延喜元年(901年)、道真は藤原時平との政争に敗れ、京から大宰府へ左遷されます。
屋敷から出発する時、日頃から愛でてきた梅の木・桜の木・松の木との別れを惜しみ、その時、詠んだ歌が、この梅の歌でした。
梅は道真を慕って、都から一夜で大宰府まで飛んだという「飛び梅」伝説が残されています。
そして、大宰府天満宮では樹齢千年を経た「飛び梅」が、今も美しい花を咲かせています。
だんだんと、春は近づいてきますね。
(2018.2.21)
節分
今こゝに團十郎や鬼は外 宝井其角
其角は松尾芭蕉の門下の俳人で、節分の日に訪ねてきた二代團十郎に、この句を贈りました。
今は「恵方巻き」のイメージが強い節分ですが、「豆まき」は平安時代が起源。
立春、2月4日が新年だったころ、宮中では、大晦日にあたる2月3日に、陰陽師らによって旧年の厄や災難を祓い清める「追儺(ついな)」の行事が行われていました。
豆は「魔滅」に通じるとして、鬼を追い出す豆まきは、室町時代から始まった習慣といわれていますが、今でも京都の吉田神社では、玄衣朱裳、黄金四つ目の仮面のいでたちの方相氏が登場する、古式にのっとった追儺式が行われます。
(2018.2.3)