葉月の色…緑色
葉月の色…緑色
葉月…旧暦では八月は「秋」で、中秋の名月の時期ですが、太陽暦では八月は「夏」。一番暑い時期です。
緑の濃い森の中で、じりじりと蝉の鳴き声が響きます。
閑(しずけ)さや岩にしみ入る蝉の声 (松尾芭蕉)
緑は成長した草木の葉の色で、語源は「瑞々しい(みずみずしい)」
日本には、お盆に収穫した夏野菜を、みずみずしい緑の蓮の葉に盛りつけて、ご先祖様に備える風習があります。
蓮の葉と水の子
ひさかたの、雨も降らぬか、蓮葉(はちすば)に、溜まれる水の、玉に似たる見む
万葉集に出てくる「詠み人知らず」の歌ですが、「ある宴会のときに出た蓮の葉に盛られた食べ物にちなんだ」という注釈がついています。
蓮の葉にご飯をもりつける風習は、アジア各地にあって、特に有名なのは中国の粽ですが、日本では「水の子」をお盆にお供えする習慣があります。
「水の子」は、餓鬼道に落ちた無縁仏にお供えする料理で、洗った米と賽の目に刻んだキュウリとナスを、蓮の葉の上に盛りつけたもの。
餓鬼が食べやすいようにナスとキュウリを細かく刻み、水に浸します。
お盆に帰ってくるご先祖様だけでなく、無縁仏ももてなそうとした、昔の人の細やかな心遣いが感じられます。
花火の色
夏の夜空を彩る花火。
美しい花火の色の秘密は…金属を高温で熱すると、様々な色を出す「炎色反応」。
・赤色…ストロンチウム化合物やカルシウム化合物
・黄色…ナトリウム化合物
・緑色…バリウム化合物
・青色…銅化合物
これらの金属の組み合わせで美しい色を作り出しているのです。
花火大会の季節が過ぎると、少しずつ朝夕が涼しくなって、まもなく秋がやってきます。