睦月の色…朱(しゅ)

命を象徴する色…朱

神社

伏見稲荷大社 Photo by Sozaing

八百よろづそこらの神のとしなみに よるひるまもる君が御代かな
(新続古今和歌集 二十神祇 前中納言匡房)

 

「朱色(しゅいろ)」は黄を帯びた鮮やかな赤。

日本の最も古い色のひとつで、縄文時代の貝塚からも「朱」を塗った土器や土偶がたくさん見つかっています。

燃える火や太陽、血の色など「生命力」を象徴する「朱」は、古来から日本人に愛されてきた色です。

朱…神社の鳥居の色

神社の鳥居の「朱色」は神聖さを表し、魔よけの意味を込めて「丹塗り(にぬり)」という技法が使われてきました。

「丹(に)」は金属鉛を加熱して、酸化させて作る赤色の顔料で、建物を虫害や腐食から守る役割があるため、現在でも使われています。

「真朱」と「バーミリオン」

大宰府天満宮 Photo by Sozaing

「朱」には「真朱」と「銀朱(バーミリオン)」の2種類があります。

天然顔料の辰砂(硫化水銀)から精製された「真朱」、硫黄と水銀から人工顔料が「銀朱(バーミリオン)」。

「真朱」は黄色味を帯びた深い赤、「銀朱」は、「真朱」よりも黄色味の強い鮮やかな赤で朱肉に使われることが多い色です。

どちらも美しい色ですね。

 

 

2020年は月に一度、日本の伝統色の世界をご紹介していきます。

よろしくお願いします。