『私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚る遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。』

新潮文庫の100冊2017に選ばれている夏目漱石「こころ(青空文庫)」

Web版の校正ツール「日本語校正サポート」を使って、校正してみたところ、こんな結果でした。

憚 難読 常用漢字表外の漢字 言い換えの例 なし

一か所だけ校正ツールが指摘したのは、憚る(はばかる)という字。
憚るは「思いあがる」という意味で使われる言葉だと記憶していますが、「言い換え例なし」って本当でしょうか。

これを言い換えるには……いくつか頭の中に候補が浮かびましたが、念のため、Weblio類語辞書で調べてみました。

憚る 自分を過大評価すること その類語は

増長する ・ 付け上がる ・ 思い上がる ・ いい気になる ・ 図に乗る ・ 調子に乗る ・ 調子づく ・ 調子をこく ・ 驕る ・ 驕り高ぶる ・ 慢心する ・ 自惚れる ・ 高ぶる ・ 偉ぶる ・  世にはばかる ・ 分をわきまえない ・ つけ上がる ・ 胡坐をかく ・ テングになる ・ 傲慢になる ・ 思いあがる ・ 先輩風を吹かせる ・ ふんぞり返る ・ 自分を過信する ・ 自信過剰になる ・ 自己過信する ・ うぬぼれる ・ 畏れを知らない ・ 神をも畏れぬ ・ うぬぼれが強い ・ 大物ぶる ・ 大きな顔をする

これだけたくさんありました。

それぞれの言葉が微妙に違うニュアンスを持つ日本の言葉。
大切にしたいですね。
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