苦難の撮影

 

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「池から病院とオブジェの距離がいけませんね。もう少し池に降りてみてください」
「無理です。柵を超えると深さ2メートルの池の水面なんですけど」
「では後ろにできるだけ引いて、病院がすっきり映るようにするとか」
「すみません。これ以上後ろに引くと、中国道の側道の車に轢かれます」

「二尾池のレリーフですが、レリーフ含めて全体の雰囲気を」
「赤信号で車が止まる隙に、車道の真ん中まで出て撮影しなきゃならないけど、がんばります」

「てんじん館ですけど、アングル的に近すぎます。もうすこし後ろへ下がれませんか」
「これ以上後ろに下がると、用水路に転落するので、これで勘弁してください。

全国巡回展「マチオモイ帖」2017用に作成中の『柴原帖』。

台風や秋雨前線の影響で、なかなかよい写真が撮れません。
デザイナーも難しい注文をしますが、よい作品を作るには必要なこと。

住職が指定した場所の写真が10枚。
撮影は6回、撮った枚数は250枚。

かなり大変でしたが、きれいな写真をとるために必要なことが学べてよかったです。